歯周病治療
歯周病とは・・・?
歯垢(プラーク)自体は黄白色をしていますので歯を見ただけでは歯垢が付着しているかは分かりにくいのですが、歯を触ってみてネバネバとした粘り気のある黄白色の物質があればそれは歯垢の可能性が高いです。ただ実際に歯垢が付着しているかどうかを判断するには『プラーク染色剤』というものを使用し、どの歯にどれほど歯垢が付着しているか?を診察します。
『歯垢(プラーク)が付着している=磨き残しがある』ということで、毎日毎日、丁寧に歯磨きをしていれば例え歯垢が歯に付着しても取り除く事が出来るのですが、歯並びが悪かったり、歯磨きの仕方に問題があれば付着した歯垢を取り除く事が出来ず、歯の周りに付着した歯垢(プラーク)を放置していると、まずは歯肉(歯茎)が炎症を起こし、出血したり膿が溜まり、さらにそのままにしておくと歯肉だけではなく『歯槽骨・歯根膜』が侵され、溶かされていき、最終的には歯が抜けてしまうのです!
歯垢の段階であれば丁寧に、そして正しい歯磨きをすれば除去する事が可能なのですが、歯垢を放置すると歯磨きでは取り除く事が出来ない『歯石』になってしまい、歯石は歯垢が付着しやすいという特徴がありますので、ドンドン歯周病の症状が進行していくという悪循環となってしまうのです。
物を食べれば歯垢が歯に付着する事は仕方ないことなのですが、歯垢は歯磨き等で除去することが可能なので、歯周病を予防するには日頃からの歯磨きが非常に大切となり、定期的に歯医者で健診を受ける事が歯周病予防に繋がるのです!
歯垢(プラーク)を放置することで歯石に変わっていきます。
このように歯石が付着していると周囲の歯肉も腫れてきます。 骨が感染しないための生体防御反応によって骨が歯石を避けるように吸収し、歯肉も下がってきます。 |
|
歯石を除去し、ご自身での歯ブラシもうまくいくと歯肉も健康になり、健康的なピンク色になります。 |
治療期間 | 1回〜7回 |
---|---|
治療費 | 保険適応の場合:¥2,000 ~¥3,000 検査をしないで即日の掃除は保険適応外:¥5,000 〜 ¥6,000 |
治療内容 | 歯のお掃除です。超音波の機械を使う場合は一時的に歯肉腫脹や知覚過敏症状が出ることがありますが大抵は歯の適応能力により改善します。 |
歯周病の分類
歯肉炎
歯肉炎は、歯肉にのみ炎症が起こっているが、歯を支える骨までには影響がない状態で、一般的にこの歯肉炎を放置すると歯周炎に進行すると考えられています。
歯周炎
歯周炎は、歯肉の炎症が歯を支える骨まで達し、この骨(歯槽骨)が溶けてなくなっていく(吸収)状態です。歯槽骨が吸収されることで、歯はぐらぐらとなり、いずれは抜け落ちてしまいます。
軽度歯周炎
骨吸収は歯根の長さの1/3より少なく、歯周ポケットは3~5mm程度、根分岐部病変は生じていない。
中等度歯周炎
骨吸収は根の長さの1/3~1/2程度、ポケットは4~7mm程度、軽度の根分岐部病変も含む。歯の動揺は軽度に増加する。
重度歯周炎
骨吸収は、根の長さの1/2以上、ポケットは6mm以上で10mmに及ぶものもある。根分岐部病変2~3度も含む、歯の動揺は著しい。
治療の流れ
1. 診査・診断
レントゲン撮影、歯周ポケットの深さや歯の動揺度のチェックなどを行い、歯周病の進行度合いを診断します。
レントゲンによる歯や骨の確認
オルソパントモ |
10枚法
|
口腔内写真検査
お口の中の写真を撮影することで現在の状況がわかりやすくなります。
お口の写真を記録しておくと今後の経過をわかりやすく観察することもできます。
歯周ポケット検査
検査用紙に歯周ポケットの深さを記入します。
歯周ポケットの深さによって歯周病がどの程度進行しているかが数値で判断することが可能です。
模型による診査
患者さん一人一人が違う歯並びや歯の大きさをしています。
それらを正確に診断するために模型を作製して観察することがあります。
患者さんの現在のお口の中の状態によっては、歯を作ったり歯並びを改善していく必要があります。
2. 治療計画・カウンセリング
診査・診断に基づいて、立案した治療計画を患者さんに説明します。歯周病の治療においては、患者さんご自身のセルフケア(歯磨きなど)による協力が不可欠です。
丁寧に説明してご理解いただいた上で、一緒に頑張っていきます。
3. 基本治療
プラークコントロール
歯磨き指導(Teeth Brushing Instruction)を行い、患者さんご自身に日々丁寧に歯磨きをしていただきます。
歯科医院では、歯科衛生士が中心となって、プラークや歯石の除去を徹底して行い、お口の中の環境を改善していきます。
咬み合わせの調整
一部の歯に偏った負荷がかかると、その歯は動揺して歯周病を悪化させます。
そこで、力がしっかりと分散されるよう、入れ歯を用いたり歯と歯を連結させて強度を上げたり、咬み合わせの調整を行います。
再評価
基本治療の結果、どの程度改善されたかを検査します。ここで、改善の度合いが十分でない場合は、あらためて患者さんに詳しく説明をした上で、歯周外科治療を行います。
歯周外科治療
フラップ手術:歯肉を切開して、歯の根っこを露出させた状態で、プラーク・歯石を除去します。
歯肉切除手術:歯肉自体を切除して歯周ポケットを除去します。
状態によりますがエムドゲインによる歯周組織再生療法も可能です。
定期管理
歯周外科治療によって改善されたことを確認したあとは、定期的にご来院いただき、検診と、歯科衛生士を中心としたプラーク・歯石の除去を行っていきます。
歯周外科治療 フラップ手術について
フラップ手術の流れ
1. スケーリング(歯肉上の歯石除去)
2. 歯肉の再評価後 SRP(麻酔下での歯肉内の歯石除去)
3. SRPしても改善しない場合はフラップ手術(歯肉を切って、目視しての歯石除去)
4. 歯肉の再評価
歯肉が引き締まることで若干歯肉が下がってきます。また、歯根(歯の根っこ)が露出することで知覚過敏症状が出現する場合があります。
費用
保険適応 1歯:¥3,000 前後
歯周外科治療 歯肉切除手術について
歯肉切除手術の流れ
1. SRPや フラップ手術をしても歯肉の腫脹が改善しない場合は歯肉切除を行います
2. また、歯肉の位置の改善を行う場合はクラウンレングス(フラップ手術+骨整形)
歯肉が引き締まることで若干歯肉が下がってきます。また、歯根(歯の根っこ)が露出することで知覚過敏症状が出現する場合があります。
費用
保険適応 1歯:¥3,000 前後
クラウンレングスの場合は保険適応外と:¥30,000
歯周再生療法 エムドゲインについて
エムドゲインの流れ
1. 歯に動揺がなく、垂直性の骨欠損が生じている場合にのみ適応となります
2. フラップ手術を行い、骨がない部位へエムドゲインゲルを流し込み、骨の再生を図ります
歯周病治療はご家庭でのブラッシングがメインの治療なため、処置を施してもブラッシングができていない場合は骨の再生が起きない場合がございます。
費用
保険適用外 ¥50,000